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百聞は一見に如かず

☆この記事は、NPO法人アグレコが月一で発行しているフリーペーパー「agreco」に寄稿しているものです。
~みんなでくらしをつくる~というテーマの雑誌で、個性あふれる方たちの描く糸が紡ぎだす月刊誌。
群馬・東京・栃木で手に入れることができます☆



皆さん、K-1を知っていますか? 
私はついこの間まで知りませんでした。K-1とは立ってする格闘技。
キックボクシングや空手、カンフーのK。KingのK。そのスーパーフェザー級世界最強トーナメントに行ってきました。
平和主義、暴力反対、菜食主義の私。つい2ヶ月前まで、格闘技??
まったく興味もないし、なんでわざわざ舞台に上がって傷つけあうんだろう・・・・?
と思っていた私。 
それが群馬から東京の代々木まで行った理由。それは“人”でした。


今年の夏にスペインに行ったときに、どういうわけか通訳をするご縁をいただきました。
その相手はなんとK-1選手。世界チャンピオンにもなったスペイン、コルドバ出身の選手でした。
話しているうちに、まっすぐで、飾り気がなく、自分の仲間や生まれ故郷を愛し誇りに思う彼のあり方が胸を打ちました。
村の1週間続く祭りで、ほとんど寝ていない最終日の朝。疲れがピークであるにも関わらず、ビデオ・写真撮影を何度取り直しても、嫌な顔をまったくせず、42度あるコルドバの暑い夏の日差しの真下でインタビューを受けてくれました。
踊ったことはない、嫌だ~、と言っているのに無理やりフラメンコを踊らせても、屈託のない笑顔で頑張る彼に、
私は感動すらしました。
その彼が日本に来て、世界チャンピオン戦に挑むなら、絶対観に行く!!そう思ったのです。

代々木第二体育館。着いたとたん、想像していた“格闘技の空気感”とは明らかに違っていました。
そこは、興奮とワクワクのエネルギーで溢れていました。着いてすぐに、私の応援する選手、ハビエルの登場でした。
初めての格闘技の試合を前にして、私はどう応援したらいいかわからず、もう祈るように彼を見つめました。 
3分×3ラウンド。たったこの9分の中で、選手は命を懸けて戦うのです。


私の身体は震えていました。そして、みぞおちに強い圧迫感。それは私の生存本能が、
リングの上に立つ選手のアドレナリンに反応しているようでした。


4時間の間、いくつものファイトを観ました。その中で印象に残っているのは、戦いだけではありません。
リングに向かう選手や審判、サポーターの態度。上がる前に祈る。四方の観客に向かって礼をする。
勝ち負け関係なくお互いのチームとの挨拶。相手チームの選手にファイトの後で水を飲ませる習慣。
もうこれ以上やったら危ない!そう判断して選手を止める審判の愛。
そのすべてを目撃しました。
リングは“聖地”でした。
一人の人間が、もう一人の人間と向かい合い、すべてをさらけ出して命を燃焼させる。
ファイトは“セレモニー”でした。


応援するハビエルは残念ながら負けてしまいましたが、彼の人となりが、私にこの体験をさせてくれました。
ハビエル、そして戦う選手たち。
感動をありがとう!!



夏よ、ありがとう

☆この記事は、NPO法人アグレコが月一で発行しているフリーペーパー「agreco」に寄稿しているものです。
~みんなでくらしをつくる~というテーマの雑誌で、個性あふれる方たちの描く糸が紡ぎだす月刊誌。
群馬・東京・栃木で手に入れることができます☆



日本に帰ってきました。
羽田に到着して、一番最初に感じたことは日本の空気の“柔らかさ”でした。
日本の湿度、つまり空気に含まれている“水”が、とても身体に心地よく感じました。
「暑い暑い」としきりに皆が口をそろえて言います。
スペインでも、日本でも同じです。
それは夏の合言葉。暑い、ということでお互いにそれが本当である、
ということを確認しているみたいに私には聞こえます。


最初のうちは、暑いよね、と言われても、
スペインのジリジリと照らす太陽と乾燥した空気に慣れていたおかげで私には暑い、
とはまったく感じられませんでした。いや、厳密に言うと暑いとは感じるけれ
ど、夏だから暑くて当たり前。暑くて汗をかくのが夏。という気持ちもその裏にはありました。
でも
帰国して 2 週間が経ち、その合言葉「暑い暑い」をずっと耳にしているうちに、
私もいつの間にか「暑い」と口にするようになっていたのです!


マドリードのスタジオではエアコンがなく、毎日汗だらだらになって踊っていました。
そして時折、開いた窓から入ってくる風に祝福を感じました。
日本のエアコンのある自分のスタジオに戻り、私は正直悩みました。
日本でも同じように、みんなに汗を沢山かいてもらうか、それともエアコンをつけるか。
これまた「熱中症・熱中症」という合言葉が巷を埋め尽くす日本の夏。
様々な年齢層の生徒さんたちがいらっしゃる中で、私はどういう選択をしていったらいいのか。


答えは、帰国してすぐに感じた“柔らかさ”にありました。
たった一つの正解としての選択ではなく、
柔軟に、
その時に目の前にある状況に応じて適応していくこと。
それはまさにダンスが私に教えてくれることでもあります。
呼吸と一緒に身体を自然に動かしていくとき、まったく同じ動きは生まれません。
一つの動きが次の動きを生み出し、それが脈々と流れるように繋がっていく・・・


自分の思いも大切にしながら、目の前にいる人を大切にすること。
環境に思いをはせながら、私たちの身体の声に耳を澄ませること。
「何が正しい」という絶対の信念を掲げて押し付けるのではなく、
この日本の空気のように柔らかく、柔軟であること。


夏が、そして日本の空気が教えてくれました。
ありがとう。


暑さの効用

☆この記事は、NPO法人アグレコが月一で発行しているフリーペーパー「agreco」に寄稿しているものです。
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イギリスでのムーブメント・メディスンの卒業式が無事終わりました。
6年間通い続けたデボン州・トトネスでの卒業式は一生の宝物となりました。
両親や友人も日本から参加してくれて、新しく開かれた道に向かって大きな祝福をいただきました。

卒業式の前には自然の中でビジョンを乞う“ビジョンクエスト”も行いました。
それは今までの環境から完全に自分を切り離し、大自然に自分を委ねるプロセスでもあります。
真冬の支度を準備してくるように伝えられていたのに、6月だからそんなに寒くないだろう・・・と甘く見ていた私は寒さに震えることになりました! 寒い中、イギリスらしい雨が降り、服・靴はびしょ濡れ。
3日間私は完全に裸足で過ごしました。
裸足で歩くことは繊細な感覚を取り戻すことだとそのおかげで気付きました。小さな石や濡れた苔、とげのある植物、動物のフン。日本だと車でアスファルトを走ることが主な交通手段である私の生活から離れ、もう一度自分の生きている環境をミクロ・レベルで感じ、感謝するチャンスでもありました。

今はスペイン・マドリードに来ています。
ムーブメント・メディスンと同時に私の道であるフラメンコともう一度向き合うために来ました。
毎日5時間踊ります。最初の1週間、私の身体は疲れ果て、クラスが終わってお昼を食べると目が
開けていられなくなりシエスタ(お昼寝)を3時間。夜は8時間以上眠りました。
疲れは環境の極端な変化のせいもあったでしょう。真冬から真夏へ。
寒さに震え太陽を求める場所から、汗だくになって太陽からできるだけ離れようとする場所への移動。

でも2週目に入ると格段に身体の変化を感じました。
筋肉痛はないし、シエスタをしなくても夜まで目を開けていられる! スペインの暑さにも慣れて夏だと夜10時まで明るいスペイン人の普通の生活を楽しめるようにもなりました。
それはバル!スペイン人口の120人に一つはあるといわれるバルは夜遅くまでどこもいっぱい。そしてバルに行くと、とにかくうるさいのです。それは私が思うに一人一人の声が大きいというよりも、“外向け”の丁寧な声でなく、“地声”で話しているから。

スペインにも敬語はあります。2人称、つまり「あなた・きみ」に当たる言葉が“Tu”と“Usted”。
でもこれまで買い物に行っても、バーに行っても、初めて会った人にも敬語である“Usted”を使われたことはありません。最初から“Tu”。日本語で言ったら、「きみ・お前」でしょうか。私はそのあけっぴろげさ、というかシンプルさが大好き。何年も一緒に過ごした友達も、今出会ったばかりの目上の人にも、誰にでも”Tu”を使う文化。この熱い太陽の元、深刻になんて考えていられない。誰がどんな人であろうが、みんなを平等に扱い、扱われる。
フラメンコ誕生の大切なルーツであるジプシーたちがどうしてこの地にとどまったのか、私には分かる気がするのです。


2016年8月号

ワクワクの秘密

☆この記事は、NPO法人アグレコが月一で発行しているフリーペーパー「agreco」に寄稿しているものです。
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私は空港が好き。この、待っている時間が好き。
どこにも属さない、まるで時が止まったような時空間に、みんな誰もがどこかに向かって旅をしている。
沢山のドラマがある。出会いや別れ。喧嘩。苛立ち。感動。わくわく!!

今イギリス行きのフライトを待ち羽田にいます。
外を見てもコンクリートと鉄の塊の飛行機、空気も空気清浄機からの送風、緑もない・・・・
そんな、普段なら逃げ出したくなってもおかしくない状況で、私の心はワクワクしている。
それは何を隠そう、「旅」が起こすマジックなのです。

「旅」とは未知の世界に飛び込むこと。
これから見えてくる風景や出会うもの・人に思いをはせ、イメージを膨らませ、感じる。
あと数時間先に立っている場所をすでにこの身体のどこかで感じながら、私たちはこの~空の港~に集う。
飛行機の中では、その鉄のオブジェの中に包まれながらヨーロッパまで約12時間。
私は今回、カタールを経由していくので、計20時間以上を空の上で、異空間の中で過ごす。
昼も夜もまじりあい、体内時計はあっという間に狂いだす。
足はむくみ、隣の人の寝息を聞きながら、窓を閉めろ、開けろとフライトアテンダントに言われながら
私のしみじみとした興奮は冷めない。

そして、この「旅」の時間で最も好きなことは、インスピレーションが湧き出してくること。
空港で待っている時間もそうだけれど、飛行機の中で、みんなが映画を見たり、寝静まったりするときにそれはピークを迎える。
ふつふつと、泉に浮き上がる湧玉のようにインスピレーションが溢れ出てくる! 
やりたかったことの詳細なイメージ。これからの人生へのビジョン・・・・・
いつもいつも不思議に思っていた。そしてある時ふと思った。
それはもしかしたら、私の身体が空に近いせいかもしれない、と。 

飛行機から地上を見ると、すべてはあまりにも小さく見える。昼間には山の山脈が、そこに流れた水が創った地上絵が水墨画のように見える。夜には光が見える。地上に見える光は、そこに人間が住んでいることを教えてくれる。そしてその光の数多く輝く姿に、感動する。
夜の都会を歩くときに、その光の多さで夜の空が見えない、電機の無駄遣いだ~と思うのに、空から見えるその生きた人間の証は、私の胸を締め付ける。いとおしくなる。
人間という、空からは蟻の姿にも見えない、小さな小さな生き物が、命が出している光を。

皆さん、旅をしましょう。そして未知の世界にワクワクしながら、人間をいとおしく感じてみませんか。


2016年7月号

自分を好きになる

☆この記事は、NPO法人アグレコが月一で発行しているフリーペーパー「agreco」に寄稿しているものです。
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5月14日。
春うららかな日。
東京でのクラスに向かうために池袋駅の山手線に乗る階段を上っている時だった。
階段の真ん中に、女性が横たわっていた。
駅員さんがその前にいて、声をかけたり軽くゆすったりしていた。
電車の中や、駅の構内で倒れている?もしくは深く眠り込んでいる人を東京では何回か見かけているので、
それほどビックリはしなかった。でもその彼女の横を通り過ぎてハッとした。
その女性の足。ズボンを履いた上からでもわかる、その足のあまりの細さに衝撃を受けた。
そして彼女の顔を見た。
生きている顔だった。深く眠っている、というよりは夢を見て眠っている顔。
お化粧が施された可愛らしい顔を見るとまだ20代だと思う。
彼女があの場所で倒れていた理由はわからない。
でも、あの足の尋常ではない細さが、その理由の一つなのでは、と思えて仕方なかった。

私はくせ毛。
子供の時は、まっさらなストレートヘアに憧れた。何度も内緒でストレートパーマをかけ、朝は一生懸命丸まった髪を伸ばし、ドライヤーをかけて学校に行った。それでも生まれ持った強いくせはしばらくすると、必ず戻るのだった。ダイエットもやった。これはいい!と言われる世間のダイエットはなんでもやった。今はベジタリアンの私がタンパク質摂取ダイエットのため、朝からステーキを食べたこともある!

でも、ある時からストレートパーマはやめた。
痩せるためのダイエットもやめた。

それは突然ではなく、自然に起こったプロセスだった。
「自分を好きになる」
そのシンプルで無邪気な心の状態になることが、ストレートパーマも、ダイエットもしなくなるきっかけだった。
自分を丸ごと受け止めること。
サラサラのストレートヘアでなくても、細くてカモシカのような足でなくても。
クルクルと丸まる髪が今はギフトだと思うし、健全に生まれてきたこの身体に、何よりも今は感謝している。
外側からどう見えるかが基準ではなく、自分の身体と心が、今、幸せで満ち足りていること。

この世界のみ~んなが、自分のことを大好きになれますように!


2016年6月号

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