無駄な努力

☆この記事は、NPO法人アグレコが月一で発行しているフリーペーパー「agreco」に寄稿しているものです。
~みんなでくらしをつくる~というテーマの雑誌で、個性あふれる方たちの描く糸が紡ぎだす月刊誌。
群馬・東京・栃木で手に入れることができます☆


家には可愛い樹がある。
5年位前に友人からいただいたアボカドの樹。
実はこれまで何度も土をカラッカラに乾かしてしまったことがある。
譲り受けたばかりの時は50㎝の高さだったのが、今では1mを優に超える。
が、暑い6月に1ヵ月間家を離れて帰宅したその時、そこに生える葉っぱはすべて茶色に変色し乾いていた・・・・
とうとうやってしまった・・・
どこかで、いつかこの時が来るかもしれない、と思いながら何もしなかった自分に反省し、
無駄な努力とわかりつつ、鉢を少し大きめのものに代え、栄養のある土に植え替えた。
そして太陽の光が強い窓辺ではなく、部屋の中に鉢を置いた。


「無駄な努力」― そう思えることは人生で山ほどある。

~地球が確実に悲鳴を上げている現状に、自分ができることは何か~
*暖房や冷房、電機の使用をできるだけ控える。
*マイバック・マイ箸を持ち歩く。
*いろいろなものをゴミにするのではなくリサイクルにもっていく。

~紛争や戦争がまだ起こるこの世界で、自分ができることは何か~
*まず自分が平和であること。
*憎しみの言葉ではなく愛の言葉を発すること。

全て、そんなことで何か変わるのだろうか? 
と思えるちっぽけな行動だ。
でも、やらないよりマシ、だ。


私たちは知らない。
日々の想いや、行動が生み出す結果を私たちは知ることはできない。
小さな「自分ができる事」の積み重ねが、誰かほかの人の積み重ねと繋がり、
無限に繋がっていった先には思い描く世界が待っているかもしれない!


2ヶ月たったある日、私は発見した。
もう死んでしまったと思っていたアボカドの樹から新芽が出てきたことに!
無駄な努力を沢山やってみよう。小さな一歩でいい、踏み出してみよう。
その先に見えてくる世界が、このアボカドの新芽のように、いのちの再生まで産み出すかもしれないのだから。

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どこでもダンサー

☆この記事は、NPO法人アグレコが月一で発行しているフリーペーパー「agreco」に寄稿しているものです。
~みんなでくらしをつくる~というテーマの雑誌で、個性あふれる方たちの描く糸が紡ぎだす月刊誌。
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エティハド航空。初めて乗ったアラブ首長国連邦の航空会社。
今、私はちょうど東シナ海上空を飛んで一路アブダビへと向かっています。


今回の目的もダンス。
最初にイタリア北部でムーブメント・メディスンと一緒に声を使うワークショップを受けた後
友人を訪ねてスエーデンヘ。そこからイギリスのトレーニングへ行き、再びイタリアへ戻ったら今度は
同期の仲間とローマで一緒にワークショップを行う旅。

私はいつも機内食でベジタリアンミールをオーダーしている。
最初に出た食事はカッテージチーズに野菜たっぷりのパスタ。そしてキヌアのサラダ。
目の前の画面で音楽はドイツ人バイオリニストが
ロック調にアレンジしたビバルディの「四季」。


ふと気づくと、もう私たちの生きている世界に国境はない。
中東の航空会社で古代アンデスのスーパーフード・キヌアが食事に出る時代。
1日で地球の端から端へ飛んでいける時代。

エコノミークラスの狭い座席に座り、私は世界を想う。
窓から、刻々と変化するあまりにも美しい空の色を見て
今という時代を生きられる幸運に感謝する。
そして私のこの身体にも。

私がやりたいことを、やりたいように実現させてくれるこの身体に。
行きたい場所へ連れて行ってくれるこの身体に。


私たちの内には、一人の例外もなく「ダンサー」が宿っている。
その「ダンサー」は、どんな状況でも私たちが繋がるのを待ってくれている。
ダンス・スタジオの中でも、新緑の森の中でも、車の運転中でも、エコノミークラスの座席の上でも。
その繋がりをつくるためのマジック・ワードは
「ねえ、身体よ。今、どんな風に動きたい?」
そして耳を澄ませる。心を開く。意識を集中し・広げる。
伸びをしてみる。YES!あくびが出る。YES!肩を回してみる。YES!!
私たちは皆、「どこでもダンサー」。
さあ、ご一緒に。自分の身体に、そこに宿るあなたの命に「YES!!!」




いのちを救う人となれ

☆この記事は、NPO法人アグレコが月一で発行しているフリーペーパー「agreco」に寄稿しているものです。
~みんなでくらしをつくる~というテーマの雑誌で、個性あふれる方たちの描く糸が紡ぎだす月刊誌。
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みなさん、“AED”を知っていますか?
―自動体外式除細動器―心臓がけいれんを起こし血液を流すポンプ機能ができなくなった状態の心臓に対して、
必要ならば電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
駅、コンビニやサービスエリア、公民館で見かける赤いハートに稲妻のような矢印が描かれたシンボルマーク。
先週講習会で改めて使い方を学んできました。


もともと、なぜその講習に行ったかというと、
ムーブメント・メディスンを教えるためにはファーストエイド(緊急・応急処置)の資格を持っていることが条件。
日本では、赤十字が行っている「赤十字救急法救急員」という資格があり、2~3日間の講習でその資格がもらえる。
初めて講習に行ったのは3年前、忘れもしない大雪が降った2月。
前橋の赤十字に通い三角巾の使い方、止血の仕方、骨折した場合の副子の当て方、
そして倒れている人を見かけた場合、どうしたらいいのかを何度も練習した。


倒れている人を見かけたら、皆さんならどうしますか?
道端で倒れている人を見かけることは、そう頻繁に起こる事ではない、そう思うかもしれません。
でも私は40年生きてきた中でこれまで覚えている限り3人の倒れている人と出会いました。
13年に1人の割合!そしてその内の1回は、まったくどうするすべもなく、ただ通り過ぎて、
その方が死んでいるのだと気づいたのがその3日後・・・ということもありました。
インドでの話です。


今回の講習会でも、2人組になり、実際倒れている人を目の前にした状況を創り何度も何度も練習。
不思議なことに練習だとわかっているのに、その状況を創るだけで私の心はギューッと締め付けられ、心臓がドキドキし始める。
まず行うことは、周囲の確認。そこは危険な状況ではないか。確認が取れたら、その方の意識・反応の確認。
「もしもし、大丈夫ですか?もしもし、大丈夫ですか?」
反応がない場合、すぐに助けを呼ぶ。119番し、AEDをもってきてもらう。呼吸の確認。
呼吸の確認が取れなかったら胸骨圧迫(心臓マッサージ)。
その一連の流れを練習し、人形に心臓マッサージと人工呼吸を繰り返す中で、思った。
握りこぶしよりも小さな心臓が一生止まらずに動き続ける奇跡。
長生きする人で100年間。平均20億回が一生の鼓動数。
時にはちょっと止まりたくなることだってあるだろうに、生きている限り心臓は“いのちの音”を奏で続ける。


お時間のある方、ぜひ講習を受けてみてください。
赤十字だけでなく、消防局でも講習会が開かれています。
ちなみに私はこの講習会を受けて、赤十字へのイメージが変わりました。
講師のみなさんはとても謙虚で一生懸命。赤十字に送られる寄付の使い道の一つとして、こういう講座も開設されています。


いのちを救う、そんな大それたことではなくても、万が一の状況と出会ったときに、自分が
“できること”をする練習のために。


困難が扉を開く

☆この記事は、NPO法人アグレコが月一で発行しているフリーペーパー「agreco」に寄稿しているものです。
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先月、イギリス研修でのこと。

夕方18時に成田発➡香港経由➡翌朝5時ロンドン・ヒースロー空港到着。
時間がたっぷりあるので、いつもは使わない地下鉄でロンドン中心部にあるパディントン駅まで行くことにする。

ヒースローからパディントンまでは何度も通ったよく知った道。ヨーロッパではよくある予想していないストライキがあったり、
例え迷っても時間がたっぷりあるから大丈夫〜と思っていたら、本当に迷った!

それは地下鉄の改札で始まる。まず持っているイギリス版Suicaのオイスターカードが何故か使えない。
マシーンでチェックしたら残額はある。質問しようと思っても駅員が誰もいない。仕方なくチケットを買う。
地下鉄のスピードがノロい。というか駅でない場所であちこち止まる。そして遂には乗り換える駅を間違えたらしく、
途中まで行ったのに結局空港に戻る道をたどる。大きな荷物を階段で上り下り…久しぶりにイライラした(笑)

でも、それが色んな出会いと気づきをもたらしてくれた。学校のあるトトネス行きの電車に乗るまでに
4人もの人が助けてくれた。

●アルバニア人のおじさん➡駅が間違っていると教えてくれた
●インド人のお兄ちゃん➡電車まで荷物を運んでくれた
●ナイジェリア人の駅員のお兄ちゃん➡間違って払ったお金を返金してくるよう助けてくれた
●ジャマイカ人の駅員のお兄ちゃん➡荷物を持ってトトネス行きの電車に乗せてくれた

みんな仕事中、または仕事に行く途中。私に関わっていて時間大丈夫かなと心配になる位、親身になってくれた。
一つ皆に共通するのはオリジンがイギリスではないこと。イギリスという国の多様性がここにある。

そのあと、3時間くらい乗っているトトネスへの電車の中で思った。
間違えたり、迷ったり、今までやったことのないことへ飛び込むこと。
それは今までに知らなかった世界を見せてくれるゲートウェイとなる!

仕事や役割を超えて、今初めて出会う目の前の人に心を開き、助けを求める。
それは自分の弱さをさらけ出すことでもあり、人を謙虚にする。
そうすることで、いつもとは違う目で、物事を見ることもできる。

現代の生き方はプライベート(私)とパブリック(公)をきっちり分けようとしている気がする。
例えば(公)の役割を果たしている時に(私)があってはいけないような感じすらする。
〝公私混同〟って、やってはいけない事の代名詞で存在する。

でも(私)を活かさずして、(公)もあり得ないのではないかな?
(公)を重んじ過ぎて(私)がなくなってしまう時、過労死のような、あまりにも痛い現実が起こってしまうのではないか。
だとしたら(私)を大事にして、(公)を楽しみながら生きること。それこそが〝公私共生〟の道。


迷った事から、出会ったこの4人の男性の親切のお陰でこんな事を考えました。
みなさん、2017年も思いっきり間違えましょう、そして道に迷いましょう〜


ひとりじゃない

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~みんなでくらしをつくる~というテーマの雑誌で、個性あふれる方たちの描く糸が紡ぎだす月刊誌。
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私には悩みがある。
それは湿疹。身体に小さな赤い点が出来て我慢出来ない痒みを伴う貨幣状湿疹。
始まったきっかけはヒルだった。ヒルに刺された後が化膿して、痒くなりはじめ、
そこから身体の色々な場所に湿疹として現れ出したのが10年前。


当時住んでいたイスラエルのキブツでは、悩みを相談すると親切な友人たちがあれこれ色々な薬を持ってきてくれた。
その中でも興味深かったのは、イチジクの実がまだ青い時にもぎ取った茎から出る乳液。
調べてみると、民間薬として日本でも使われていたらしい。


そんなみんなの親切も私の湿疹を完治させることはできず、ついに病院に行き皮膚科の先生に診てもらうことになった。
日本にも来たことがある親日家の先生だった。
バイオプシー(生検)までしてもらって分かった結果が“Nummular dermatitis(貨幣状湿疹)”だった。
そんな名前を言われても、それが何を意味するかまったく????な私は尋ねた。

私:『先生、これはどうしたら治るんですか?』  
先生:『わからないんだよね。とにかく薬を塗り続けるしかないよ。』
私: 『原因は何なんでしょうか?』
先生:『うーん。本に書かれていないから分からないなぁ。』



この最後の答えに、私はもうそれ以上何を聞いてもこの先生からは答えは得られないだろうと悟ったのだった・・・・
それ以来、とにかく色々な治療法を試してみた。
ステロイドから自然な塗り薬はもちろん、ホメオパシーから鍼、漢方薬からヒーリング。
日本に帰国してからは、何軒かの皮膚科にも行ってみた。
ある時、あるお医者さんには、「これは“アトピー”です。理由がわからなくて現れるこういった身体の反応をアトピーというんです」
と言われて、なんと目の前に光が差し込んだように見えた!
自分が“アトピー”で悩んでいる人達の中に仲間入りできたようで純粋に嬉しかったから!(笑)



病にかかることは、孤独なことだ。
夜、湿疹が悪化した時にはかゆみを通り越した痛みや痺れのために眠れない夜を過ごしたこともあった。
真夜中に、一人布団の上でもがく。泣き叫んでも、誰もこのかゆみや、痛みを治すことはできない。
がんのように、死に至る病ではない。でも、抱える悩みは大きくその苦しみは、なったものにしか分からないだろう。


身体には叡知が宿っている。
その叡知が何と私たちに語りかけてくれているのか、それを全て聞き取ることは難しい。
でもそんな時同じ人間、この身体に生きる者同士が分かち合える“経験”がある。
それを共有することで私たちは乗り越えていける“強さ”を身に付けることができる、よね!!



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