糸をつむぐ女性 ~アマゾンと私~

この記事は、ムーブメント・メディスン創始者のひとり、スザナ・ダーリングカンによるものです。
彼らは毎年、アマゾンに人々を連れていくツアーを行っています。
アマゾンに生きる人々、そしてアマゾンを守る人々とのつながりや活動も描かれています。
日本語訳はBY佐藤治子さん!ありがとう☆



糸をつむぐ女性 ~アマゾンと私~
By スザンナ・ダーリングカン 訳:佐藤治子

アマゾン熱帯雨林奥深くのティンキアスという村に、体が小さく顔は皺だらけの、しかし輝いた瞳を持つ老女が住んでいます。
彼女は昔ながらの木綿つむぎの名人で、昔からの糸の紡ぎ方を知る村で唯一の人間です。以前は、女性たちは皆同じやり方で
糸を紡ぎ、その糸で家族の衣服を織っていました。


私たちが訪ねるといつでも、彼女は糸のつむぎ方を教え、笑いながら私たちにも糸つむぎをやらせてみてくれます。ほとんど目は
見えないのに、彼女は驚くべき速さで糸を紡ぐのです。でこぼこがまったくなく美しい、完璧な糸を。それに比べて我々のつむぐ糸といったら、ぼこぼこしていてむらがあり、とぎれとぎれ。もちろん、彼女くらい熟練した技術を身に着けるには長い年月の練習が必要なのですが。


自分たちの手で夢中になって糸を紡いでいる間、私は彼女の年齢と、彼女が生き抜いてきた長い年月に思いをはせてみました。
私は通訳者に、彼女が生きてきた歴史について、我々と何かシェアしたいことがあるかどうか尋ねてくれと頼みました。アチュア族の戦士である通訳者は、この偉大なる老女の耳に届くように、大声で尋ねてくれました。彼女はすぐさま答えました--まるで
この物語が彼女の中ですでに準備ができていて、ただ語られるその瞬間を待っていたかのように・・・。


「昔、まだ私が若かった頃、夫と一緒に森林を歩いていました。夫はとても歩くのが速く、私はついていけないこともよくありました。たいてい彼は私を待っていてくれましたが、あるとき私たちははぐれてしまいました。私は彼を見失ってしまったのです。暗くなったので寝床を作り、一人ぼっちで森で眠ったその夜、私は夢を見ました。世界中の人々が私たちを訪ねてこのアマゾンにやってくる、そんな時が訪れる、そんな夢です。」彼女は私を見上げて微笑んだ。「そして今、あなた方がここにいます。」


50年もしくは60年ほど前、アマゾン奥地に住むアチュア族の女性にとってそのビジョンは考えもつかないことだったに違いないと、
私は改めて考えてみました。
今、彼女は自分のみた夢が現実となったことをとても喜んでいます。


次の日、私は自分のビジョンを思い出しました。
「私はアマゾンのジャングルの上を飛んでいる。地上では人々が蛇のようにくねくねと連なりながらジャングルを歌い踊っている---あらゆる国々の、あらゆる年代の、あらゆる人種の人々が。それは私たち、ともに地球に生きる人類だ。」
このビジョンがまだ完全に現実化したとは言えないにしても、今私が世界中の人々とアマゾンで歌い踊っているのは偶然ではありません。

25歳の時にみたこのビジョンは、私がダンスを「魂の指針」とするきっかけとなりました。そのおかげで私はガブリエル・ロスに出会い、これからもずっとこの出会いに感謝することでしょう。あれからおよそ30年。その間、私は人生のそして愛のパ-トナ-、ヤコブと共に、自分のハ-トに従い夢に挑戦し続けています。2007年に私達はムーブメント・メディスンの学校を創立しました。そして学校がパチャママ・アライアンスと提携したおかげで、私はアチュア族のこの美しい糸紡ぎの老女と出会い、ともに夢を紡ぐことになったのです。


夢はアチュア族にとってとても重要です。アチュア族は毎朝夜明け前に起き、たっぷりのグアユサ茶を飲むために火を囲みます。
このお茶は森の植物が原料で、弱いカフェインのような効能があり、味は緑茶のようなものです。ヒョウタンの容器いくつかにグアユサ茶をいれて、彼らは森のはずれに行き、身体を浄化するためにそれを一気に飲み干すのです。あまり気持ち良さそうではないかもしれませんが、やってみると驚くほどに私は元気になり浄化されました。その後、人々は座って自分たちの見た夢をシェアして解釈します。彼らの「夢案内システム」に従って、その日に何をするかを決めるのです。


21年前の1995年、アチュア族のシャ-マン達は、石油開発による深刻な脅威が彼らの土地に近づいてくることを夢やビジョンの中で見始めました。アチュアの人々は自分たちを脅かす物から逃げないという事を文化的な信条としています。ラファエル・タイーッシュというアチュアのシャ-マンはその信条に従い、協力を求めてアマゾンの外の現代社会にやってきたのです。彼の訴えは聞き入れられ、それに応えてパチャママ・アライアンスが誕生しました。この団体には、ビル&リン ツイスト夫妻がいました。


アチュア族たちはアライアンスの創立者たちと共にアメリカ全土の人々に次の2点を要求しました:1)彼らの森林を守る手助けを
すること 2)「北方の夢」を現実化させないこと、です。


その後パチャママ・アライアンスはアチュア族が自分たちで領土を地図化し法律的所有権を手に入れて、領土に入れるものと入れないものを自分たちで決めることができるようにサポ-トを続けています。アライアンスの業績が功を奏し、今に至るまでアチュアの領土は本来の姿のまま現存し、開発されていません。


アライアンスの活動としてもう一方の目玉は、ヤコブと私のパチャママ・アライアンス活動の原点となる’ Awaking the Dreamer’シンポジウムです。(日本では“チェンジ・ザ・ドリーム シンポジウム”と呼ばれ、NPOセブン・ジェネレーションズが行っています)
私たちはこのワークに深く感動し、私たちの人生も大いに変化しました。今の自分のままでいたい人にはお勧めしませんが。


このシンポジウムは我々ひとりひとりが「北方の夢」を変化させる為にそれぞれの果たすべき役割に目覚めるための強力なツ-ルです。「夢(dream)」とは「物語(story)」です。それはunexamined assumptionsつまりチェックされずに通る根拠のない推定で、我々の認識や選択を無意識のうちにしかし強力に決定づけます。’ Awaking the Dreamer’は哲学的、歴史的、心理学的、そしてスピリチュアルな側面からみても非常に知的なシンポジウムだと思います。私はこれまでこのシンポジウムに何度も参加しましたが、参加するたびにいつも新たな感動を覚え、新しいことを学びます。できるだけはやく参加してみることをお勧めします。以前このシンポジウムに参加したことがある人ならば、現在行われている物が進化していることに気づくでしょう。アライアンス側が常にアップデート
しているからです。シンポジウムは現在オンラインで ‘Awaking the Dreamer’ や‘Game –Changer Intensive’に参加することが可能
です。


NGOが、我々文明社会の根本問題に働きかけながら、原住民たちが組織を作り自立するための資金を長期にわたって援助することは非常にまれなことだと私たちは認識しています。NGOの多くは数年続くあるプロジェクトに基金を援助し、その後活動をやめるのが普通なのです。パチャママ・アライアンスの活動や在り方は180度異なります。私はこの協会で、先住民族と現代の英知両方のサポ-トをするという自分の役割を果たせることをとても誇りに感じています。


パチャママ・アライアンス独自の手腕や原住民に敬意を表する活動の仕方がわかるにつれて、アマゾンの他の部族たちも同盟に
加わることを望むようになってきています。その結果、最近始まったエクアドルでの「パチャママ財団」の活動に至るまでに、アライアンスの権限はより多くなり、共に活動する多様な先住民族のグル-プも増えてきています、そしてその民族たちの多くはかつては敵同士だったのです。アライアンスの拡大によって、さらに最近サパラ族が同盟に加わりましたが、首長のマナリはムーブメント・メディスンのサマ-ロングダンスにすでに2度参加しています。


マナリはサマ-ロングダンスに参加したことで、彼らと同じような夢を抱いている人々が世界には他にもいるのだということを知り勇気づけられたと語ってくれました。これは彼らの孤立感が薄れたということです。マナリは、彼の暮らす森林から出ると普通はスピリットと交信するのは不可能になるのだが、ロングダンスの中では同じように交信することができたとも語ってくれました。これを聞いて私たちはとても感動し、信頼する先住民族のリ-ダ-からの我々の活動に対して大切な見解をいただくことができました。


2013年12月に、エクアドル政府は「パチャママ財団」の活動を停止しましたが、この組織が先住民たちの権利支援にどれだけ効果をあげてきたかを表すこととなりました。この政府の対応に屈することなく、高名な先住民の権利擁護者であり、素晴らしい心、魂、才能の持ち主であるベレン・パエズの指導の下に活動は継続しています。


最近行われたアマゾンでのあるミ-ティングでは、シャ-マンのラファエル・タイーシュがビル・ツイストと会談し、アチュア族が今後どれだけの期間アライアンスの支援を期待できるか尋ねました。「あと100年とか、そのくらい」とビルは答え、ラファエルに長期間の援助を約束しました。その場に安堵の空気が広がりました。ベレンもその場に居合わせ、このやり取りがいかに感動的なものであったかを我々に語ってくれました。


マナリは思いやりにあふれ、精神世界の理解に優れた人物で、知り合ってから何年にもわたって私は個人的に彼の考えに救われてきています。彼の知恵と見解によって、私は母の死に対する嘆きを癒すことができたし、私が今までにみたいくつかの不思議なビジョンの示す癒しを理解し、私がその癒しを受け取るのも助けてくれました。


同じような寛大な精神を私たちが最近アマゾンを訪れた時にも感じることができました。私たちがサパラ族のエコプロジェクトであるナクを訪れる2週間前、エクアドル政府はアマゾンの森林やサパラ族たちに多大なダメ-ジを与えるであろう、石油採掘の契約に署名したのです。マナリは存在の危機を感じ、来るべき出来事に対して肉体的そして精神的に備えました。そんな状況下でさえ、マナリは一人一人がそれぞれの人生の航路を進むための配慮と気配りを示してくれ、その態度に私たちは心を揺り動かされました。
私たちがアマゾンを発つ日に、彼はこんなことを話してくれました。


「状況は非常に厳しい。「搾取的思考」と「循環型社会という理想郷」が対決する最前線がサパラ族の居住区域に迫ってきている:生物多様性に富んだ、薬草やそれぞれ独自の文化を保有する100万エ-カ-の手つかずの熱帯雨林。サパラ族の居住区はまた巨大な二酸化炭素吸収源でもある。」


この問題は解決困難で、複雑な様相を呈しています。エクアドル政府の苦しい状況もわからないではありません。ここ数年、国全体で広く必要とされるインフラ整備(道路、学校、病院など)のためにエクアドル政府は中国から多額の負債を抱えています。中国政府は、代わりにエクアドルの石油を欲しているのです。地球上での状況を考慮すれば、明らかにほかの解決方法があるはずです。地球上の先住民たちが、今、文字通りこの惑星の将来的な幸福を消耗させるような資源強奪に対してNO!を表明し始めています。


2016年1月エクアドル政府は石油採掘区画79と83の権利を中国の企業に売却しました。これらの未開発アマゾン熱帯雨林地域はサパラ族だけでなく、サラヤク地域のキチュア族や孤立先住民であるタガエリやタロメナネの居住区となっています。
この売却は、エクアドル政府が「自然の権利」に対して憲法責任を負っているのに、問題となる熱帯雨林地域の原住民たちには何の相談も報告もなく(それがエクアドルの法律なのです)、2015年のパリ協定や、サパラ族の文化が2001年にユネスコ世界文化遺産に指定されているという事実をすべて無視して行われました。


先住民たちの大部分は政府に対してはっきりと「No」を表明し、その態度はゆるぎないものです。「私たちの領土に侵入してこないでください」というのではなく、「我々はこの暴挙を認めない」と言っているのです。このように自分たちの立場、おかれている状況、地球全体や子供たちの未来のために自分たちが今できることをよく理解しており、影響力を持った強くそして非常に寛大な先住民族たちと出逢うことは、まさに神の恵みとしかいいようがありません。


数年前、アチュア族の若きリ-ダ-であるアウグスティンは語っています。「我々の祖先はアマゾンが危機に瀕するこの時が来るのを予見していた。そしてまた、我々だけではなく、味方を得ることで森林が持ちこたえるであろうことも。」
(ビデオでアウグスティンのような若きリ-ダ-たちの後ろに立っている)予知能力のあるアチュアの一人、ドミンゴは語っています。「予言はこうだ、今こそ鷲とコンドルが同じ空を共に舞う時なのだ。我々先住民族の最善の知恵は我々を困難から救い出してくれる近代社会のもっともすぐれた知識と統合するのだ。私たちはお互いを必要としているのだ。」


最近訪れた場所で、私たちと先住民族たちが共に何度も夢の中で見たのは、アマゾンの原住民たちと共に、全世界の本当に多くの人々が共に立ち上がるという、愛・連帯意識・つながりのネットワ-クであり、その結果アマゾンの森林は守られるだろうというビジョンでした。パチャママ・アライアンスは、“ジャングルの大地から石油を採取するというような行為はあり得ない”という意識に変容するには、さらにあと2,3年はかかるだろうと見込んでいます。だからこそ、もし我々全員が協力して、“その時”まで現状を維持することができれば、アマゾンの原生林を無傷のまま守れる方向にいけるかもしれないのです。望みさえすれば、あなたもそのための何らかの役割を果たすことができます。(このままどうぞ読み進めてください)


今のこの時代で特筆すべき点は、女性たちが果たしている役割です。ジャングルではつい最近まで、男女の役割は非常にはっきり区別されており、外部の世界と接触することになったときは女性たちは表面に出ることはありませんでした。しかし、今や、女性たちがリ-ダ-シップをとって変化を起こすために協力しています。石油採掘企業がアマゾンへの進出を表明した2016年3月8日の国際女性デ-には、7つの地域から集まった500名の原住民の女性たちがプヨでデモを行い、石油会社はその日はアマゾンの中に入ることはできませんでした。


この記事を読んだとき、私は感謝と歓喜の涙を流しました。ベレン・パエズが語ったように、先住民族の女性たちと世界中の活動家が、アマゾン熱帯雨林とそこに住む人々の権利を守るために共に立ち上がり、連帯意識を持って交流するという経験をしている今このときは、極めて特別で歴史的な瞬間であり、我々は長い間この時を待ち続けていたのです。
私はネルソン・マンデラの言葉を思い出していました。「何かをなし得る前には、何事も不可能に思える。」私たちの活動は終わってはいないけれども、重要な一歩を踏み出したのです。


私たちはマナリの動画を2016年2月22日に作成し、過去2、3年の間にもいくつかの映像を撮っています。皆さんのネットワ-クでもどうかこれらをシェアしてください。

ビデオ
Manari 
:https://www.youtube.com/watch?v=uWwGjom1S_Y&feature=youtu.be
*The fierce passion of a young Achuar leader (アチュア族リ-ダ-のとてつもない情熱)
:https://www.youtube.com/watch?v=m3CkSLk6fQk
*Maria speaks(マリアの語り)
:https://www.youtube.com/watch?v=m4GL5Y6D0kk
*Mukasawa speaks(Mukasawaの語り)
:https://www.youtube.com/watch?v=g1dMrc5K17Y
*Jose speaks(ホセの語り)
:https://www.youtube.com/watch?v=hUWMthqLd48
*Jorge speaks(Jorgeの語り)
:https://www.youtube.com/watch?v=M2vmxDBw4Bg

さらに、アマゾン・ウォッチの20周年を記念に作られたこちらのショ-トビデオもご覧ください。: 
https://www.youtube.com/watch?v=004rQgFInRw
アマゾン・ウォッチはパチャママ・アライアンスと親密な関係にあり、素晴らしい協力体制をとりながら活動している団体です。
私はこれらの見事な活動すべてに対して感謝の気持ちに堪えません。
確かなものはありません。同時に、起こることは我々全員が行動したかしないかにかかっているのです。


この地球上では、異なる世界感や夢をもつ人々の間で、人々が採掘したい他の資源についても同じような話し合いが繰り広げられています。しかし基本的な問いかけは変わりません。「我々は誰になりたいのか?」さらには、「我々は誰なのか」そして「この時代に生きている我々の世代はどういう風に(後世に)記憶されるのか?」
実際のところ、我々は誰かの記憶に残るのでしょうか?/我々のことを覚えていてくれる人は存在するのでしょうか?


今回のアマゾンへの個人旅行は、終わってみれば、自分の内側の深い部分で「私はいったい何者なのか」を考える重要なきっかけとなりました。このことは私の行動、認識すべてに影響を与えていて、私にはそれを十分に統合していく力があります。準備が整ったと自分で感じたら、この点についてさらに書こうと思います。私はアマゾン原生林の生命やそこに暮らす人々と出会い、共に生き、友情をはぐくみ、自分の人生の中でどれだけこれらと関わることが大きな位置を占めているかに気づく機会を得たことを心から嬉しく思っています。


私はこのようなチャレンジとチャンスが与えられたこの時代に生きる我々一人一人が、自分自身の気持ちと心の声を信頼し、思い切って自分に与えられた使命を果たしてみることを奨励します。リン・ツイストが言うように、「大きな使命も、小さな使命もない。あなたにはあなたの使命があるだけだ。あなたが自分の使命を果たすとき、あなたは人生にずっと夢見てきたような意義を見出すでしょう。」


あなたにできる重要かつ効果的な役目は、寄贈者になりパチャママ・アライアンスを支援することです。そうすればアマゾンの人々をしっかりとサポ-トできます。定期的に寄付をすることによって、アマゾン地域や世界中で取り組まれている「北方の夢」の内容を書き換えるための活動を継続させていくサポ-トができるのです。長期の寄贈者とは、毎月、もしくは毎年ある金額を協会に寄付して下さる方々で、この方々のおかげでアライアンスはアマゾン先住民族のために献身的に活動できるし、先住民たちが人類全体のために自分たちの住む森林を守ろうと行動する力に確かな影響を与えています。このことについてどうぞよくお考えください。私は、アライアンスに寄付をするということが、我々にできる最も重要な投資だと考えています。


あなたがして下さるすべてのことに感謝をささげます;それが祈りと行為のどのような組み合わせであろうとも、大きなことでも小さな事でもいいのです。場所もどこでも構いません。あなたが、命と愛のために、あなたの魂の声に従って行動することを決めてくださったなら、どこでもいいのです。


この記事を読んで下さってありがとうございます。私が自分の役割を果たすためにム-ブメントメディスンから受けた援助、またほかのすべての援助に対して感謝いたします。私一人では決してできなかったことです。

あなたのため、私のため、そして人類全体のために、愛をこめて、勇気を願って。

スザナ・ダーリングカン

この記事は、デイビッド・タッカー, クリスティーナ・セラーノ, ヤコブ、そしてスザンナ本人が企画した2016年アマゾンへのパチャママ・ジャ-ニ-「世界の魂とともに踊る」から帰途についた後に書かれたもの。この上記の4人と北米やヨーロッパから集まった意識の高い人々による4度目のアマゾンへは、パチャママ・アライアンスのグル-プが熱帯雨林に足を踏み入れた中で最長の旅となった。スザンナとヤコブはSchool of Movement Medicineの創設者。写真提供に際して、ムーブメント・メディスンやこれまで我々がかかわった団体の方々にお礼を申し上げます。  
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生き、愛し、学ぶ地球での新しい1年


これから不定期ではありますが
ムーブメント・メディスン(MM)本校より
毎月発信されているニュースレターの中から選んだ記事を翻訳し
ブログに載せていこうと思います。

今回は第一号として
MM創始者・ヤコブが先月、これから始まる6週間の旅の前に書いたものです。
イタリア→アマゾン→アメリカ
へと続く旅を前にして彼が思うこと。
そしてこの記事を通して、彼が大切にしていることが伝わってきます。

少し長いですが
皆さんに読んでいただけたら嬉しいです☆



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「生き、愛し、学ぶ地球での新しい1年」 by ヤコブ・ダーリングカン

6週間の自宅からの仕事を終えて、今年初めての出張の旅の途中からこれを書いています。
この6週間は言葉に出来ないほど濃厚な時間でした。
2016年の始まりは家族と友達と一緒に迎えることができました。その後、私たちの息子は2度目のビジョン・クエストの旅に立ち、スザナと私は教授生活28年目に突入しました。


3期目のプロフェッショナル・トレーニングの第1モジュールも始まりました。
アプレンティスシップ・プログラムを終えた、固い決意を持った旅人のサークルとムーブメント・メディスン(以下MM)の“何が・何故・どうやって”を共有する喜びの時です。
彼らはMMを教える、もしくはMMを、すでに行っている自分の職業と統合させる選択をした人々です。その中には、今まさに最初のクラスを始めている人達もいます。彼らみんなの最初の一歩一歩に祝福を贈ります。

思い出せば1989年、ダンスを教える初めてのクラスの前に私は怯えていました。
失敗しそうなことについて、一週間毎晩悪夢を見ました。まさにウィンストン・チャーチルが亡くなる間際の友達に言われたことのように:
“人生で沢山のことを心配しておびえていたけれど、その心配のほとんどは実際には起こらなかった。”

ホールド・スペース(ワークする場を創ること)の仕方を教える事は実際に人々の為にホールド・スペースする事とは全く違うことです。 この10日間、私は一つのことを長い間続けることの価値を何度も何度も発見しました。これまでも人に教えることによって、私は本当にたくさんのことを学んできました。訓練生に繰り返し言ってきたように、クリエィティブで責任ある地球の市民として目覚めていこうとする活動は、教え始めることで全く新しいレベルで始まるのです。

MMのようなワークでは、私たちは自分自身の経験からしか教えられません。
無意識のうちに自分が直接経験していないことを教えようとした時が自分にもありましたが、周りはすぐにそれに気付きました。
それはまるで“若者よ、謙虚さを学べ”と大きく書かれたブロック塀に走って追突するようなものでした!とても高性能なブルシット(たわごと)探知機が私たちの精神に備わっているのは素晴らしいことです。

このプロフェッショナル・トレーニングをすることで学ばせられた事の一つはこの質問でした:MMの絶対的な基本原理は何なのか?ということです。

私たちを知っている皆さんならご存知のように、21のリストを私たちは作成しました。
MMの立ち位置を感じていただけるように、ここで最初の一つを皆さんにお伝えしたいと思います。
それはこう書いてあります:
人生はミステリー(神秘)である。人生を説明しようとする全ての試みはこのミステリーについての物語である。物語とは、それに乗り、方向を定め未知を旅する船のようなものである。グレート・コレオグラファー~偉大なる振付師~(=ダンス)はこのミステリーの体現である。

これが私の全てであり、出発点です。“人生のミステリー”との継続的なロマンスは、記憶が遡れる時からずっと続いています。子供が(大人になっても私たちの内に住む子供たちが)よくするように、私がいつも投げかけていた質問があります。
“もしもラビ(ユダヤ教の神父)が言うように神様が全てを創りだしたのだとしたら、何が神を創ったの?”
そして今、MMという物語をどんなに深く愛してはいても、知っています。MMもまた一つの物語である、と。このワークが世界の沢山の場所で行われていく事に強い情熱を感じていると同時に、これもまた、私の創造的なマインドの物語であることを知っているのです。反対に、この理解が私の内にしっかりと根付くことで、私が人生でやると決めたことに全身全霊で専念できるのです。
私が学んだ最初の先生の一人“バッティ―・サンダー・ベア(クレイジー雷熊)”(そう、それが彼の名前です)は私が子どもの時に知っていたことを思い出させ、それをより深く理解するのを助けてくれました。:
“ウォーリアー(戦士)は知っている。
人生には固有で普遍的な意味など少しもないこと。人生がミステリーであること。そして自分のスピリットと一致する物語を選択することができることを。”
スザナは、彼女のファミリー・コンステレーションの教師・アルブレヒト・マールからこう聞いていました:
“私たちが確実に知っているものはありません。しかしどうせ意味を自分たちで作っていくのなら、私たちの経験が命を尊重するものであったらどうだろう。”
そしてここで付け加えるとしたら、
“それが何であれ、私たちにこの命を与えてくれたものに対してお返しすることができるものを”

その意志の元に、また私は旅しています。最初はイタリアへ行き、エクアドルのアマゾンへ。そしてそこからアメリカの東海岸と西海岸へと向かいます。
数年の間が空きましたが、今回イタリアに戻れることを本当に嬉しく思っています。

イタリアから戻り、自宅で週末を過ごした後でスザナと共にアマゾンへ行きます。
パッチャママ・アライアンスの良き同僚であり友達のデイヴィッド・タッカーと共に再びグループをアマゾンへと案内するのです。
今回も危機的な時に現地に行くこととなりました。中国の石油会社に採掘の権利が売り渡されてしまった地域を訪れます。
エクアドル政府のこの売却行為によって、私たちのサパラ族の友人たちの環境・文化・暮らしが脅威にさらされているのです。素晴らしく豊かな生物圏が石油を採掘するために破壊されていくという、彼らは絶望的な状況に置かれています。想像すると胸が張り裂けそうです。

私たちがアマゾンに行き彼らを訪ねるのは彼らと共に歩むためです。
そしてアマゾンにいる限り、外からやってくる人々を歓迎し、彼らが持つ知恵をシェアしたいという彼ら自身の願いをかなえる為です。
他のどんな民族とも同じように、彼らは特別な知恵を持っています。そしてその知恵がこの地球上の生命の構造の大切な一部を担っていると私は思うのです。
だからこそ行きます。行き、彼らと共に過ごし、学び、日常の暮らしと祈り、癒しの時間を共有するのです。
彼らは私たちが訪問することが力になる、と言ってくれます。そして彼らの願いである、彼らが祖先から受け継いできた大地と、これからも何世代にも渡って健康で調和に生きることができる持続可能でオールタナティブな生き方を創造するサポートになるとも言ってくれます。
ですが、私にはこの物語にはどのような結末が待っているのかわかりません。どういう結末になるべきか、ということも私にはわかりません。

はっきりわかっていることは、私はこの森を愛しているということ。この森の中の奥深くで歌い、奏で、ダンスする生命力が大好きなのです。原始的で、激しく、ワイルドな力。それは私たちの社会が失いかけている、途切れることのない高振動光ファイバーケーブルのような生命の営みなのです。この森は地球という生命体の肺でもあり、それ以外にも沢山のものなのです。

アマゾンでの滞在の後すぐに、本当に久しぶりにアメリカへ教えに行きます。
おそらくこれはMMのアメリカへの初上陸となるでしょう。
今回のプロフェッショナルコースの中で何度も話したことがあります。
それは私たちの中心的教師の一人であり、MMの系統の大きな部分を占めている、ガブリエル・ロスについてです。MMをプロフェッショナルとして提供していく人達がガブリエルがMMに与えた大きな貢献を知ることは大切だと思ったのです。ダンスはメディスン(薬・癒し)であると最初に教えてくれたのは彼女でした。歩む道を示し、シンプルで面白く生き生きした直接的なやり方を教えてくれました。

5リズムはアメリカで生まれました。そのアメリカに戻り、現在では数えきれないほど行われている“コンシャス・ダンス”と呼ばれるフィールドの中で、私も教えさせてもらいます。
エサレン研究所へ教えに行くことは、まるでガブリエルのワークが生まれた場所へと巡礼にいく様な感覚すらあります。エサレン研究所では 90年代に彼女のアシスタントとして教えたこともありました。沢山の水が流れ、限りない数の橋が渡されてきましたが、今言えることは、ガブリエルが私の人生に与えた巨大な影響を堂々と讃え、祝いたいということ。光と共に影を。人生の率直で大きな意味のある事実として。

これがこれからの6週間の予定です。そしてこの旅の始まりの電車の中で皆さんに向けて書きながら、様々な思いがあります。
私たちの家と土地からしばらく離れることの悲しみ。愛犬を預けていかなければならない事。喜びといえば、この冒険の最初の半分を最愛の妻と共に歩めること。そして今自分が生きている人生の物語が、与え、そして受け取る大きな可能性を提供してくれていることです。
先日、ウィンター・ドリーム・ダンス・セレモニーがありましたが、そこでは3世代のアプレンティス(実習生)達が力強いサークルをなし、川のようなパワフルな力の流れの中を踊る体験をしました。この川が私の内側を流れていく感覚がしたのです。生命の川として、山から谷を降り、平野を駆け抜け海へたどりつき、蒸発して雲となり、もう一度全てが始まった山へ戻る、循環する継続的な流れにいたのです。この永遠のサイクルを感じていました。そして魔法にかかった数秒の間、私はそのサイクルそのものでした。

皆さんにとって、素晴らしいインボルク(春の祭り)となりますように。この古いケルトの光の復活のお祭りであるインボルクを。春の最初の目覚めが(南半球の皆さんにとっては秋の爆発的な色の変化が)皆さんの身体・心・頭に健康と幸せをもたらしますように。そして自分たちが本当に何者であるのかを発見し続けると同時に、与えられるもの全てを与え続けるチャンスを持てるよう祈っています。

読んでくださってありがとう。
ヤコブ・ダーリングカン 2016年2月
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